開拓記念館・・・・・生活空間の豊かさとは自然の豊かさ     篠原 盛雄    2015.11.20UP

  晩秋の風景を切り取りに11月4日の午前中に開拓記念館の公園に出かけてみました。例年この時期アトリやカシラダカなど渡りの途中の鳥たちが立ち寄るからです。今年は台風等の影響で風が強い日が結構あり木の葉は早めに落ちていて、さびしい感じでしたが、アトリ、ヒヨドリ、カシラダカなどが数羽飛び交っていました。
 気温が上がっていたせいかエゾリスの動きも活発で公園全体で7頭ほど観察しました。じっと待っていると足もとをエゾリスが駆け回り、カサカサという音が心を和ませてくれました。
 すると突然頭上からルルルル・・・・聞きなれたクマゲラ(天然記念物)の声!まさか!!・・・声の聞こえたあたりをよく見ると頭の上が赤いクマゲラが7mぐらい上の幹に止まっていました。写真を撮ろうと狙いましたが日影で条件がよくありません。しかもじっとしていなくて、3,4枚撮ったところで西の方へ飛んで行ってしまいました。時々、開拓記念館に野鳥観察に出かけますが、初めての出会いでした。町のど真ん中にある開拓記念館にクマゲラがやってくるとは驚きでした。
 ヤマガラ、シジュウカラ、ヒガラなどが池の周りで餌取りをして、エゾリスのクルミをかじるコリコリという音が響いてきて何とも贅沢な時間でした。多様性に富んだ森があること、水があることなどの条件が街中に生き物を呼び込んでいます。
 生活空間の豊かさとは自然の豊かさだとつくづく思います。工夫次第で記念館の自然はもっと豊かになると思います。

 
クマゲラ 伊達開拓記念館 2015.11.4
 
エゾリス 伊達開拓記念館 2015.11.4
 
エゴノキにきたヤマガラ 伊達開拓記念館  2015.11.4
 
エゾリス 伊達開拓記念館 2015.11.4

「トウネンの群れに標識ヘラシギ!(絶滅危惧種)」   篠原盛雄  2015.10.4UP

 
左トウネン 右ヘラシギ9/5

 8月下旬、トウネンは今年も長流川河口、有珠海岸にやってきました。
スズメより少し小さめのこの鳥は北極海沿岸で生まれ(親たちは子供たちが巣立った後、7月中旬ころ先に南下してきます)自分たちの力で遠くオーストラリアまで1万キロ以上の旅をします。旅の途中ほとんど人と接触がないためか、じっとしていると2mぐらいのところまで近づいてきて餌取りをしています。ピッ、ピッと小さな声も聞こえてきます。
 9月下旬にはにぎやかなトウネンの群れもさらに南下していき、10月になるとさびしくなります。9月はシギ・チドリが立ち寄る季節ですので、丁寧に観察します。シギ・チドリの飛来も年々少なくなっているようで気にかかるところです。9月4日、いつものように観察コースの巡回に出かけました。気門別川河口にはオオセグロカモメ、ウミネコがいつものように砂浜で休んでいました。念のため双眼鏡を取り出して、シギ・チドリの確認を行いました(時々、いることもあるので)。伊達漁港の堤防から河口の対岸の砂浜を見ると、トウネンらしき鳥が波打ち際にちょろちょろしていました。 対岸まで行くには1キロばかり回っていかなければならないので、どうしようかと迷いましたが、念のため近くで確認しようと車を回して対岸の砂浜に行ってみました。昆布がたくさん打ち上げられた波打ち際にやはりトウネンが数羽忙しく餌取りをしていました。
 こんな中にヘラシギも混じってくるんだよなと思いながら一羽一羽確認していくと、首の回り、トウネンと少し違う模様の鳥が一羽・・・・まさかヘラシギではと、じっと観察していると砂から出たくちばしが何やら平たく見える・・・ヘラシギ?!!・・やっぱりヘラシギ!しかも足にフラグ(標識)が付いている!これは大変と標識が確認できるように真面目に写真撮影・・・
 運よく近くで餌取りをしてくれてフラグの文字もはっきり撮れました。やったー!!!
 ヘラシギは急速に数を減らしていて現在世界で400羽になっていると報じられています。
 20年ほどシギ・チドリの観察を続けてきて、今まで有珠海岸で2010年9月4日〜9月5日、2012年9月7日〜9月10日の2回だけヘラシギ(幼鳥)を確認しています。絶滅危惧種に標識を付けるとはどういうことなのか不思議でした。標識を付けること自体鳥に負荷を与えるのでどうして絶滅危惧種にあえてこんなことをするのか非常に疑問でした。
 さっそくその日のうちに千葉県我孫子市にある山階鳥類研究所に写真を添付し観察報告をしました。ほどなく返事がきましたが、幼鳥なのでロシアでつけられたのは間違いないが、今まで見たことのない標識の付け方なのでロシアに問い合わせてみるとのことでした。それから1週間ほどたって再び返事がきました。

 

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篠原さま

山階鳥研の広居です。
9月4日に伊達市の気門別川河口で観察された刻字フラッグ付きヘラシギの放鳥記録が届きました。
それによるとこの鳥はMeinypilgyno, Anadyr Distr., Chukotka Region, Russia
62d33mN/177d03mEで2015年7月11日に放鳥されています。ロシアからの連絡によるとこの個体は人工孵化して育てたヒナで、その内でも最も小さくて弱かったので一番最後に放鳥したと言っています。そのヒナが渡りの途中、元気で再発見されたことをプロジェクトの責任者や飼育担当者は大変喜んでいます。
とても素晴らしい観察記録で、データを整理する者としても嬉しく思っています。
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 絶滅危惧種に標識を付けるなんてと思っていたところが、ロシアではすでに絶滅に対処するため人工孵化をして増殖事業を実施していました。
 その中の一番ひ弱な幼鳥が3千数百キロ南下し気門別川河口に元気にやってきました。この連絡を受け、あらためて標識ヘラシギの元気な姿を思い出して命の輝きに感激しました。
 ロシアではすでに生物多様性の取り組みが具体的に行われています・・・・・残念ながら日本では生物多様性条約を批准し、生物多様性基本法を制定しながらその理念を実現する具体的取り組みはなされていない・・・・生物多様性を実現するための生物基本調査、環境保護、保護地のゾーン化は計画すら立っていない状況です。
 伊達周辺では砕石で山が切り崩され、エコと称して満足なアセスもしないで風車増設、さらに大滝地区に50基もの風車計画が立ち上がっています。伊達市は環境に関して全く無関心、道の環境係に交渉に行っても予算措置もなく、風車建設に無防備な状態です。経産省の再生エネルギー推進の方針の中で、環境を守るアセス法すらその理念を実現するものではなく形骸化されてしまっており、環境に配慮する何の歯止めのないのが今の日本の社会です。
 環境法そのものが理念を実現することができないようにされています。どんな社会をつくっていくのか、安保関連法案で国民の民主主義が試されたように、主権者である国民が一人ひとり最後まで責任を持っていかなければならない日本の社会です。
 さまざまな困難を抱えながらもその解決のために真面目に取り組んでいく日本の社会を実現したいものです・・・・・標識ヘラシギに出合いその思いがまた強くなりました。
 
ヘラシギ9/5
 

トウネン9/6
 
オバシギ9/13
 
ミユビシギ9/14


夏 長流川  篠原盛雄 2015.8.24UP

 
カワセミ
  7月中旬から曇った日が多く、本州の梅雨状態となっています。寝苦しい日が続いて夏バテ気味です。今年は積雪が少なかったせいで雪解けも早く、春が2〜3週間ほど早くやってきたような感じで推移してきました。鳥の渡りもそれに合わせるように早い動きをしていました。田んぼの稲は8月上旬には穂が垂れさがり始め色づき始めました。ニュウナイスズメの群れ(300羽)が田んぼの稲をもうはや襲っていました。今年の春はドクガの大発生となり多くの人がその被害に遭いましたが、初夏に現れるチョウやハチ、セミ、クワガタなど様々な虫が少ないのが気になります、どういう関係で今年はそうなのかわかりませんが長流川でチョウを撮影しようとしても昨年と比べると激減しています。キアゲハ、コムラサキ、ヒョウモンチョウもなかなか見ることがありません。6月〜7月雨がほとんど降らず蚊すらほとんどいませんでしたから今年の春からの気象現象が植物の生育、生物の繁殖に影響を与え、生態系全体に影響を与えているのかもしれません。今後、生物の状況を注意深く観察する必要があると思います。長流川での鳥たちは順調に繁殖を成功させたようで、7月中旬からはさまざまな幼鳥が姿を見せていました。今年は巣立ちも早く
 7月上旬にはムクドリ、コムクドリの幼鳥の混群が飛び回っていました。例年より2週間ほど早い群れの形成でした。鳥全体、2週間ほど早めの巣立ちとなったようです。8月に入ると長流川河口にカワセミの幼鳥2羽が飛び回って餌取りの練習をしています。決まった場所に止まってくつろいでいます。車を止めて待っているとしばらくするとやってきて10m位の至近距離のところの木の枝に止まって餌取り、水浴びをしてくれます。元気そうな愛らしい姿に癒されます。 8月10日の午後河口に行ってみると、ツバメ50羽ほども群れがやってきてビュンビュン飛び始めました。その中にひときわ大きなツバメが5羽ほど混じっていました。尾羽根の形からハリオアマツバメでなないかと双眼鏡で確認してみるとやはりそうでした。ハリオアマツバメはアマツバメ目アマツバメ科の鳥で普通のツバメ類はスズメ目ツバメ科ですのでツバメと名前がついていますがツバメとは目が違う鳥です。翼開長50センチにもなる大きな鳥ですので飛ぶ姿は迫力満点です。長流川ではなかなかお目にかかれない鳥ですので、撮影に挑戦してみました。ものすごいスピードですのでISO感度を6400にして4000分の1のシャッタースピードを使い手振れ装置も作動させて追ってみました。なかなかピントもあわず、ブレブレの状態でシャッターを何度も切ってみましたら何とか証拠写真程度には写っていました。以前、室蘭岳の小ピークの岩の上で休んでいたときハリオアマツバメが間近に飛んでいきました。その時のビューンという風切り音を忘れることができません。撮影を続けているとどんどん増えてきて20羽以上の群れとなって長流川河口の上を飛びまわっていました。もうすぐ越冬もうすぐ越冬地のオーストラリアまで渡っていきます。久しぶりにその迫力に感動しました。7月中旬トウネン、キアシシギ、ソリハシギ、メダイチドリ、ハジロコチドリなどのシギ・チドリの親が子育てを終えシベリアから南下してきました。一足先に越冬地のオーストラリア、東南アジアへ渡っていきます。8月下旬になるとその子どもたちが自力で南に向かって南下してきます。
 8月30日は野鳥の会主催でシギ・チドリを観察する探鳥会が開かれます。いつものカルチャー追手門隣の公衆便所まえ8:45集合ですので是非ご参加ください。申し込みは篠原(TEL23−3169)までお願いします。
今年の夏休みは頻繁に河口に様子を伺いに行っていました。8月3〜4日にこの時期には珍しいカンムリカイツブリ(夏羽)がやってきました。7月1〜2日にはカラシラサギがやってきましたし、長流川というところは珍しい鳥がよく立ち寄る不思議な川です。逆に言うと鳥にとって重要な中継地ということになるのかもしれません。
 

 

 
 ダイサギ
 
ミサゴ
 
トウネン

長流川に珍客 篠原盛雄  2015.7.13UP


 「6月下旬から7月上旬 長流川に珍客!」

 今年は雪が少なく、雪解けも早く例年より2〜3週間早く春がやってきました。越冬のオオハクチョウの、マガンの出立もそれに合わせるように2〜3週間早くなり、例年3月下旬に実施している野鳥の会主催の長流川・有珠探鳥会では今年すでに飛び去った後となりました。今年の春から初夏、気温のほうはそれほど高くなりませんでしたが、雨が少なく、鳥たちの子育ても順調に進んだようで、7月に入るとさまざまな鳥たちの幼鳥の姿を見ることができます。
 6月から7月は鳥の繁殖活動が佳境に入る時期で、草木も茂り一年で一番鳥の姿を観察しづらい時期なのですが、期待もせず時々通っている長流川に6月22日から23日にかけてセイタカシギが2羽やってきました。絶滅危惧種に指定されているこの鳥はなぜか長流川には時々姿を見せます。長流川が移動経路に入っているのだと思います。足が赤くすらっとした姿は鳥の中でも美しい鳥です。
 6月23日に観察しているとお昼頃、突然ハヤブサ(若鳥)襲ってきて2羽のセイタカシギは逃げ場を失い水中に飛び込んで難を逃れました。その後も警戒して、胸まで水につかったまま動こうとはしませんでした。翌日行ってみましたが2羽の姿を見ることはありませんでした。
 長流川河口にはこの時期数羽のカルガモとカワアイサがたむろしているくらいで静かな時期ですが、7月1日そんなのんびりした河口で忙しく動き回る小型のシラサギがいました。
 もしかしてカラシラサギ?と思い、双眼鏡でのぞいてみると頭の毛をなびかせたカラシラサギでした!この鳥も世界で5000羽ほどしかいないとされ、情報不足に指定される鳥です。
 朝鮮半島で繁殖するこの鳥は時々、日本でも観察されます。長流川にはこの19年の間に4回ほど飛来しています。なかなかお目にかかれない珍しい鳥です。以前に出合ったカラシラサギは警戒心が強いのですが50mほど先いたのに、河口の岸辺でカメラを構えていると、魚を追ってどんどん近づいてきて私を無視して2mほど前を通り過ぎていきました。
 今回のカラシラサギはとても警戒心が強く、50m以内には近づけてくれませんでした。
 対岸から望遠レンズを使ってやっと証拠写真を撮ることができました。この鳥もセイタカシギと同じく1泊2日で去っていきました。鳥のさびしい時期、珍客2種で楽しませていただきました。思うに長流川というところは侮れないところです。
 珍しい鳥が立ち寄っていく特異な地理的な位置にあるのかもしれません。
 真面目に長流川に通うことが大事と改めて思いました。


 



セイタカシギ 飛翔
 

セイタカシギ
 

カラシラサギ
 
 

カラシラサギ 


夏を迎えた長流川 篠原 盛男 2015.6.5UP

今年の春は2〜3週間早くやってきました。フクジュソウもカタクリも例年いなく早い開花となり、桜もあっという間に終わってしまいました。若葉の広がりも早く鳥の観察も難しくなりました。北上するカモたちもほとんど飛び立っていきました。5月29日、長流川ではヒドリガモが3羽、スズガモが2羽となっています。200羽以上いたカルガモも30羽ほどとなり、それぞれ営巣に入っています。今シーズンのシギチドリの渡りは5月上旬からちらほら観察でき、メダイチドリ、チュウシャクシギ、トウネン、キョウジョシギ、ソリハシシギ、アオアシシギ、ホウロクシギ、キアシシギ、ハマシギ、タカブシギなどが観察されました。とくに5月23日、トウネン100羽とハマシギ20羽の群れが長流川河口で短時間立ち寄っていきました。春の時期にこれほどの群れは初めてでした。警戒心が強く、遠くから、忙しく餌取りし飛び回る群れをやっと撮影する状態でした。しばらく観察していると先を急ぐのかトウネンらの群れはまっすぐ長流川を北上していきました。後3か月もしたら北極海沿岸で生まれたトウネンなどの幼鳥たちが南下してきます。自然の命の躍動を感じます。カモ、シギチドリの北上の後、長流川河口はヒバリ、ノビタキ、ホオアカ、オオジュリン、オオジシギ、カワラヒワ、コチドリ、イワツバメの子育てがはじまっています。河口近くの森、草原、砂浜の自然の多様性がさまざま生き物たちをささえています。町に近いとはいえキタキツネ、タヌキ、テン、時にはエゾシカまでも河口にやってきます。
川には魚の遡上も始まりました。ボラが河口で飛び跳ねています。ウグイの遡上ももうすぐはじまると思います。河口のハマナス、ハマエンドウ、ハマニガナ、ズミ、キンギンボクも開花しその枝先にトガリフタモンアシナガバチが巣を作り始めていました。長流川は生きていると感じます。昨年、伊達ではドクガの発生がありましたが、河口のアキグミ、ハマナスの一部にドクガの幼虫が群れていました。見た目もあまり気持ちの良いものではないですが、十分注意しなければいけない年になるかもしれません。ドクガの針に刺されると水ぶくれになったり大変なようです。
ドクガの幼虫が鳥の餌にならないかと思います。たくさんいるので十分、雛の栄養になると思うのですが、鳥が喜んで捕てる様子もなく、もったいない感じがします。ドクガといえども食物連鎖の中で何かの役割を果たしていると思うのですが・・・よくわかりません・・・自然は不思議に満ちています。

 
オオジシギ
 
ノビタキ♀
 
 ホオアカ
 
テン
 
ハマシギ トウネン
 
カワアイサ
 
 ハマエンドウ
 
テン

  5月桜咲く有珠善光寺  篠原 盛雄  2015.5.16UP

 
 「5月桜咲く有珠善光寺」
今年の春は早くから気温が高く推移し、野草が2〜3週間早く開花しました。有珠善光寺の桜も2週間ほど早く開花し、5月上旬は一年に一度の桜見の人びとでにぎわっていました。幼稚園の子供たちの声が響き渡り、なお一層春の生き生きした空気を作り出していました。フクジュソウもカタクリも姿を隠し、日陰にわずかシロバナノエンレイソウが初春の名残を残していました。木の上でコリコリとかじっているエゾリスも夏毛になっていました。5月上旬ソメイヨシノが葉桜になった公園で今年もオオルリがあちこちでさえずっていました。キビタキ、アカハラ、ウグイス、クロツグミ、アオジ、ヤブサメ、カワラヒワの夏鳥たち、地元のシジュウカラ、ゴジュウカラ、ヤマガラ、ヒガラ、アカゲラ、ヤマゲラなどの鳥たちもにぎやかにさえずり、飛び交っていました。開門前の早朝の公園は新緑の中に桜の淡い色がやさしく、鳥たちの楽園になっています。数年前パークゴルフ場の計画が持ち上がりましたが、たくさんの人々の運動の中で中止されました。
花が咲き、鳥が飛び交い、動物たちが息づく・・・今、あらためて、有珠善光寺自然公園としての素晴らしさを感じます。守るべき地域遺産として位置付けていく必要があると思います。
 

 
オオルリ
 
 アカハラ
 
 アオジ
 
 ゴジュウカラ
 
 
 エゾリス
   

今年の春は早い 篠原盛雄 2015.4.2UP

 
 ベニマシコ
 

 カタクリ

  
エゾエンゴサク
 
ベニヒワ
 
マヒワ
 3月7日から14日まで長流川周辺はアトリの大群の大イベントでした。それが去った後はシーン!!落差が大きくて、あたりには空虚感が漂っています・・・・・。
 アトリの大群と共にやってきたベニヒワ、マヒワ、ベニマシコ、ミヤマホオジロの写真がアップで撮れました。間近で見るとかわいくて、美しいです。
 今年の3月が温かく、雪もなく、やってきたミヤマホオジロは美しい声でさえずっていました!
 鳥たちはすでに繁殖活動に入っています。公園に行くと、シジュウカラ、ヤマガラ、ヒガラ、ゴジュウカラなどのさえずりが聞こえてきます。3月中旬からヤマゲラの声も聞こえだしました。キジバトもやってきて鳴き出しています。長流川河口ではヒバリが空に舞い上がり春を告げています。
 4月1日有珠善光寺に行くとカタクリがピンクの絨毯になっていました。エゾエンゴサク、キクザキイチゲも咲き出していました。今年の春は2週間ほど早くやってきました。有珠善光寺自然公園はまだ開園前でしたが、鳥たちのさえずりと、カタクリをはじめ春の花たちの開花はゆったりとした時間を与えてくれます。
 サクラの咲く前の有珠善光寺自然公園も魅力的なところです。
 ゆっくりと散歩して春の自然を堪能してみてください。

   伊達・春の気配    篠原盛雄    2015.3.12UP

 
10年以上前長和でアトリが3000羽飛来し驚きましたが今回はその倍以上はいると思われる大群でした。動きが激しくて正確な数をカウントするのは難しいのですが
6000羽以上、もしかすると1万羽ぐらいいるかもしれない夢のような光景でした。翌日も5000羽をこえるような群れが、踏切の近くを乱舞していました。2015/3/7 
 「伊達春の気配」
3月初め、ぐるっと伊達を歩いてみました。
例年にない雪の少ない暖かな冬もこのまま終わりそうな気配です。田んぼや畑には雪がほとんどなく2月21日にはフクジュソウが有珠
善光寺で開花していました。情報によると本州から苫小牧のウトナイ湖へのマガンの北上も3週間ほど早いようです。3月22日(日)に野
鳥の会主催で伊達市民探鳥会が予定されていますが、伊達で越冬しているマガン、オオハクチョウも早めに飛び立ってしまうかもしれま
せん。今までにないくらい春の到来が早くなりそうです。
伊達開拓記念館ではフクジュソウがすでにちらほら開花しており、雪の全くいない園庭をエゾリスがクルミを探しながら忙しく走り回って
いました。昨年秋記念館のクルミは大豊作で夏に生まれたエゾリスの子どもたちは元気に冬を越すことができました。5〜6頭ほどいる
ようで恋の季節なのか追っかけのようなこともしていました。2月下旬からアトリの群れを見かけるようになり、記念館にも20羽ほどの群
れがいました。今年はシメの群れを伊達のあちこちで見かけますが、記念館でも20羽ほどの群れが芝生で餌探しをしていました。シジュ
ウカラの囀りも始まり、春を感じさせます。
有珠海岸も全く雪がありません。コクガンが30羽ほど海岸近くでアオサや海苔などを食している光景は春らしさを感じさせます。5月の下
旬近くまでいるコクガンは有珠の風景に溶け込んでいます。沖にはクロガモ、スズガモ、ウミアイサ、オナガガモが浮かんでおり時間がゆ
っくり流れていました。猫も散歩をしていました・・・・・・(ネコ散歩)。
ポロノットの展望台へ行ってみると、やはりここにもフクジュソウが黄色い絨毯になっていました。ハシブトガラスがしつこくついてきてカー、
カーとうるさくしていましたが彼らも繁殖時期が近付いてきています。ポロノットの林の中にもアトリの数十羽の群れが休んでいました。葉
っぱのない5月上旬までがポロノットから透けて見える海の碧さが素晴らしいです。
有珠善光寺自然公園では、雪が裏手に少し残っていました。アカゲラが数羽いてあちこちつついていました。少し大きめの鳥が幹から幹
へ移動しているのでよく見てみるとヤマゲラでした。ヤマゲラはアカゲラ同様、留鳥なのですがなかなか姿を見ることができない鳥です。ま
だ開館前の公園の中で、自由に餌探しをしていました。誰もいない公園ではシジュウカラ、ウソ、コゲラ、アカゲラ、ハシブトガラの声がし、
エゾリスが木を走り回る音がしています。しばし自然の時間の流れに身を任せました。
人間社会は目先の利潤を追いかけ、偏狭な価値観にとらわれ危うい流れになっています。
かき乱される気持ちを冷静にさせてくれた伊達のぐるっと散歩でした。
 

  ウソ
 

 ヤマゲラ
 
 ヤマガラ

 

 コゲラ
 

 オナガガモ
 
 コクガン天然記念物
 

 エゾリス 笑う

 エゾリス ウインク

 「暖冬のいきものたち・・長流川周辺」   篠原盛雄 2015.2.3UP

 今年の冬は例年になく気温が高く、越冬するいきもの 達には穏やかな日々が続いています。昨年10月から河口から高速道路まで銃猟禁止区域に設定されましたので、発砲もないせいか越冬中の鳥たちはのんびりしています。
 昨年秋、サケの遡上が例年になく少なく、さらに雨も少なかったため、上流までサケが遡上できませんでした(捕獲の簗を越えることができない)。そのため毎年サケの死骸を餌に越冬にやってくるオジロワシ、オオワシは今年、河口にたくさん集まっています。
 1月5日の午前中には河口に35羽以上集まっていました。今まで見たことのない光景でした。河口にわずかに残っている餌を求めて集まっていました。毎年同じ個体がやってくるようですので今年の越冬は餌不足でなかなか大変と思います。2月中旬になるとオジロワシ、オオワ シは北上していきますので何とか無事に越冬を終え、シベリアへ戻ってほしいと思います。ハクチョウたちは河口や周辺の畑で餌探しをしながら冬をしのいでいますが、今年は雪が少なく、時々雨で地面が出てくるので餌探しは楽なようです。河口のオオハクチョウたちをよく見てみると1羽コハクチョウが混じって越冬していました。 コハクチョウはさらに南で越冬する鳥ですので、長流川での越冬は数年に一度くらいです。コハクチョウは上嘴の黄色が小さく嘴の先まで伸びていないのが特徴です。大きさも少し小ぶりです。観察の機会がありましたら、コハクチョウを探してみてください。ハクチョウ観察していると突然小さな緑色のものが飛び出してきました。カワセミです(カワセミも時々越冬するものがいます)。1月21日、この日はなんとオジロワシが止まってい
る杭の近くの細い枝にカワセミが止まってツーショットでした。ありえない光景でした。距離がありましたので証拠写真程度ですが珍しい写真となりました。
 北糖の池の近くの道路を通っていましたら、道の真ん中にキタキツネがじっと何かを見ています。そっと10m位車を近づけて写真を撮っても、じっと見つめたままです。舌を鳴らして注意をこちらへ向けてみましたが、道の真ん中から動こうとしません。さらに車を5mまで近づけてみると、キタキツネの視線の先には猫が固まっていました。猫のスキを窺っていたのでした。以前にキツネの穴の周辺に子犬の首輪が落ちていたことがありました。スキあらば猫を捕えようとしていたのかもしれません。車をさらに前へ出すと仕方なく路肩に寄りましたが、未練があるか車の左横でじっと猫をみていました。
 左の車のドア(窓ガラス)を下げると1.5mの至近距離で狐君とご対面となりました。カメラを構えると望遠レンズのピントが合わないぎりぎりの近さでした。これもなかなかない光景でした。
 最近はさまざまなことが重なってゆっくりと観察できない毎日ですが、ちょっと出かけてみると、毎回思いがけない光景に出合うものです。自然はいくたびに新たな出会いをさせてくれます。気持ちをほっとさせ忙しい人間世界から解放してくれます。
 身近に生き物たちがいる自然があることが人間にとってとても大切なことと思います。
 
オジロワシ群れ 長流川
 
オオハクチョウとコハクチョウ(右)
 
 
 オジロワシ、カワセミ(右)他 長流川

今年もやってきた越冬の鳥たち 12月    篠原盛雄   2014.12.27

  地球温暖化のせいか・・12月17日に激しい低気圧の襲来がありました。日本海側、道東方面では大きな被害も出ました。伊達でもすべての学校が休校となり、児童生徒も自宅待機となりました。12月20日現在積雪ゼロ・・・気温5度まで上がりました。地面はまだ柔らかく根雪はもっと後になりそうです。
  越冬のオオハクチョウ数羽が雪のない稀府のトウモロコシ畑で餌を探していました。例年10月下旬にやってくるミヤマガラス(くちばしが灰色でとがっているのが特徴)がなかなか姿を見せず、伊達での越冬をしなくなったのかと思っていましたら、12月11日、伊達火力発電所近くの田んぼにミヤマガラス200羽の群れを発見しました。ミヤマガラスの群れにハトぐらいの大きさのコクマルガラスが混じっていることが多いので、注意深く観察してみると4羽のコクマルガラスを確認しました。(そのうち淡色型2羽・・白と黒のツートン)
  ミヤマガラスもコクマルガラスも日本海を挟んだ沿海州で繁殖する鳥です。サハリンからわたってくるのかそのルートは明らかではありませんが、毎年10月下旬雪の少ない伊達の田んぼに越冬にやってきます。これらのカラスは在来種のハシブトガラスやハシボソガラスのように街中には出てきません。もっぱら田んぼや畑で餌探しをして暮らします。田んぼで群れているカラスはミヤマガラスの場合が多いです。ミヤマガラス、コクマルガラスの北海道での越冬地はおそらく伊達ぐらいなものと思います。雪が多いと餌取りができませんので北海道で越冬できる場所は限られてきます。
  今時点で長流川周辺はマガンが90羽+、オオワシ3羽+、オジロワシ20羽+の越冬が確認されています。今年長流川でのサケの遡上が極端に少なく、例年晩秋に降る大雨もなかったためサケの捕獲のための堰を超えられず、上流までの遡上は皆無でした。
  2月中旬までサケの死骸を餌に越冬するオオワシ、オジロワシへの影響が懸念されます。
  急激な気候変動は直接生物に影響を与えます。地球環境を守っていくための指標として生物観察記録が重要になっています。身近な生物の動きを日時、種類、数で記録することが地球の環境の変化を読み解く一つの手段となっていきます。双眼鏡片手に散歩がてら、観察記録を始めてみませんか?ぜひ森ネットにその情報を提供していただきたいと思います。
  北西の風が少し強く吹くと長流川の崖の上に上昇気流が生じ、休んでいたオジロワシ、オオワシが舞い上がってきます。多いときには10羽ほどのオジロワシが円を描きながらワシ柱?を作ります。冬の青空に舞い上がるその光景はもやもやした人間社会の現実をスカッとさせる力を持っています。よく見ると結構飛んでいるものです。
  長流川散策の折にはぜひ空を見上げていただきたいと思います。
 
オジロワシ
 
左ミヤマガラス 右手前コクマルガラス(淡色)
 
マガン
    
田んぼのマガン 

11月1日マスイチ浜(室蘭市)でのタカ見     篠原盛雄    2014.11.5UP

  9月上旬からのハチクマの渡りに始まって、ハイタカ、オオタカ、ノスリと絵鞆半島マスイチ浜は、毎日さまざまな鳥たちとタカの渡りを見物できるところです。10月25日、野鳥の会の全道の支部長、本部の役員が全道ブロック協議会総会のため室蘭に集まりました。翌日の26日、マスイチ浜で探鳥会を実施しました。
 年に一度の会議は各支部持ち回りで実施していますが、それぞれの地域での探鳥会は恒例となっています。今年は室蘭支部が担当でしたので、秋のタカの渡りを見てもらおうとこの時期に企画しました。例年10月26日ころはノスリが2〜3時間の間に数百、多いときには2000羽にもなることがありますので、それを見てもらおうとしました。
 当日天候は良かったのですがノスリの数は思ったほどでもなく、そのかわりにハイタカが次々と現れたり、ヒヨドリがハヤブサに追われ飛び回ったりそれなりの探鳥会にはなりました。室蘭支部としてはもっとダイナミックなノスリのタカ柱を見てもいらいたかったのですが、そうはいきませんでした。
 しかし全道各地からやってきた支部長たちは歓声を上げていました。これほど多くの鳥が見れるとは思わなかった、一生分のタカを見たと全員満足して帰っていきました。絵鞆半島が内浦湾を渡る最短距の位置にあるため、たくさんの鳥の渡りの中継地となっています。
 地元にいると当たり前の風景が実は特別な風景なのだということをよそから来た人に言われて、改めてその凄さを理解しました。
 11月1日は野鳥の会室蘭支部主催のヒヨドリの渡りを見る会でした。朝7時マスイチ浜集合ですのでかなりきつい観察会です。やっとお日様が出始めたころからの観察会です。この時期ヒヨドリは数百〜3千ほどの塊となり対岸に向けて海面すれすれに渡っていきます。それを襲うハヤブサとの攻防が見られるのもこの時期です。親子での一般参加者を期待しての企画なのですが、最近はそううまくいかなくなっています。
 当日伊達6時出発でマスイチに行ってみると身内がほとんどでした。期待をしながら一番高い展望台で待っていると、この日もハイタカが間近にやってきます。ノスリも次々と立ち上がってきて忙しいことになってきました。
 ヒヨドリは100羽ほどの群れが飛び回るだけでしたが、この日はハイタカ、オオタカ、ツミ、ノスリ、トビの混群の珍しいタカ柱の出現となりました。7時から11時まで間断なく現れるタカにシャッターを切りまくりました。帰宅してパソコンに取り入れましたら1650カットでした。そのタカの写真を拡大してみると近づいてきたタカたちは人間を見に来ていました。タカ見の見物とはこのことでした。渡りの途中の鳥たち、実は観察に来た人間たちを観察する遊び?をする好奇心を持っていました。
 どんな気持ちで眺めているのか・・・写真を拡大して眺めてみるとあったかな気持ちになりました。絵鞆半島はやっぱりすごいところ!! 地域の自然遺産ですね!
 
ヒヨドリの渡り2010
 
オオタカ2014.10.26
 .
ノスリ
 
ハイタカ
 
タカ柱
 
ハチクマ
 
マスイチ浜から
 
ノスリ
   


鳥・・・秋の賑わい       篠原盛雄     2014.9.24UP


 8月下旬から9月いっぱいは今年生まれた幼鳥たちが独り立ちし、遠く北極海沿岸から南下してきます。地元で育った夏鳥たちも渡りの準備で忙しく飛び回ります。
 有珠海岸、長流川河口では様々な鳥たちが入れ替わり立ち替わり姿を見せてくれます。
今シーズンは久しぶりにハリオアマツバメの群れが長流川にあらわれました。
 有珠湾ではツメナガセキレイの幼鳥が初めて観察されました。
 トウネンも例年通り有珠海岸で最大100羽ほどの群れが8月下旬から9月中旬まで観察されました。観察に行くと今年はトウネンが神経質になっているので様子がおかしいと思っていましたら、ハヤブサの幼鳥がいついていて頻繁に襲いかかっていました。
 8月30日チュウシャクシギが1羽有珠海岸にいましたがそのハヤブサにしつこく攻撃を受け必死に逃げていましたが、鷲づかみにされたり、水中に飛び込んで逃れようとしたり、かなり打撃を受けたものと思います。ハヤブサは生きた鳥を捕って生きていく鳥ですからハヤブサの方も必死でした。(なんとかチュウシャクシギの方はのがれたようでした)
 有珠湾ではカワセミの幼鳥が魚捕りの練習をしながら渡りにそなえています。
 9月中旬になるとカモたちが南下してきます。
長流川には珍しくシロエリオオハムの幼鳥が入ってきて魚捕りをしていました。
潜水能力が高く一気に30mぐらい潜っては浮いてきます。どこへ出るかわからないままカメラを構えていると5mほどのところに浮いてきてあわててシャッターを切りましたがピントが合っているのは2、3枚でした。
 雪のやってくる10月下旬まで鳥の渡りは続きます。
 9月上旬室蘭のイタンキ浜に行った時偶然にハジロコチドリの幼鳥に出会いました。
 この鳥も日本ではあまり見ることのできない鳥ですが、何かいるかも・・・と求め続けていると案外出会えるものです。
 野鳥観察に出かけるといつも新しい出会いがあります。生き生きとした鳥たちの命に触れて感動します。人間世界の時間の流れとは別の流れが自然界には流れています。人間社会のあるべき姿を別の時間の流れに身を置いて考えるべきと思います。
 

 カワセミ
 
シロエリオオハム
 
チュウシャクシギ
 
ツメナガセキレイ(幼鳥)
 
トウネン
 
ハジロコチドリ
 
ハヤブサに襲われるチュウシャクシギ
 
ハリオアマツバメ
 
ミユビシギ(幼鳥)
 
カワセミ
 

 長流川河口「夏」8/9  篠原盛雄  2014.8.12UP

 長流川河口の夏は生き物に満ちています。8月9日午前中河口に出かけてみると、ミサゴが河口の枯れ枝に止まっていました。8月7日の日には2羽のミサゴが見事にボラ?らしき大型の魚を捕らえていました。今年もミサゴのダイビングを見させてもらいました。
 8月31日には野鳥の会室蘭支部主催の探鳥会があります。例年この時期は長流川と有珠海岸でのシギチドリの観察です。主にトウネンの幼鳥を狙っての探鳥会です。(8:45追手門向かって左公衆便所前集合)例年7月中旬にはトウネンの親鳥が先に南下してきます。念のため河口の砂浜を見ましたらトウネンの成鳥(親)が3羽餌採りをしていました。
10mぐらいの距離を保ちながら餌をとっています。水際に座ってじっと待つこと15分
警戒を解いてトウネンが3mまで近づいてくれいてアップで写真を撮ることができました。
尻がしみてきたので脅かさないようにそっとその場を立ち去りましたが、久しぶりに近くで撮影できました。帰宅してからトウネンの写真を拡大してみるとなんとトウネンの下のくちばしの内側にギザギザの歯がついていました。20年近くトウネンと付き合ってきましたが
はじめて知りました。自然は不思議がいっぱいです。

 河口の東側に黒松林がありますが
 その手前の空き地にエゾノキツネアザミ(ヨーロッパ原産)がたくさん咲いています。
そこに毎年様々な虫たちがやってきます。今年はアカタテハが今までになく多く観察されます。セイヨウオオマルハナバチ(外来種)も沢山いて去年も十数匹捕獲しましたが、今年も同じくらい捕獲しました。在来種に影響が懸念されていますので、見つけたら極力捕獲するようにしています道具はビニールの袋)。やってくるマルハナバチの半分はセイヨウというありさまです。環境に対する配慮に欠けていますね全く!アライグマと一緒です。
 2時間ばかり虫の写真を撮っていましたら、初めて出会うトラフシジミ、スズバチ、花では見かけないコマダラカミキリ、トガリフタモンアシナガバチの飛翔など鳥より面白い写真がたくさん撮れました。鳥の撮影はなかなか難しいのですが虫は近くで狙って撮れるので面白いです。アカタテハは何度撮っても美しいです。感激しました!

 
アカタテハとトガリフタモンアシナガバチ
 
コマダラカミキリ
 
アカタテハとセイヨウオオマルハナバチ
 
スズバチ
 
 トウネン 歯がある
 
トラフシジミ
 
 トウネン
 
ベニシジミ


 7月有珠善光寺    篠原盛雄    2014.7.26UP

 
キビタキ幼鳥
 
 有珠善光寺は5月末で桜も終わり緑の葉っぱで覆われています。この時期鳥たちのヒナも巣立ち餌探しに奔走する親鳥の姿も見えなくなります。シジュウカラ、キビタキ、ヤブサメ、アカゲラ、もちろんハシブトガラスの幼鳥も時々葉っぱの陰から姿を見せてくれます。
  ヤブカの季節でもあり公園の中を散策する人もほとんどなく、生き物たちの様子を覗きにいっても貸し切り状態、そこは生き物たちの楽園です。毎年あずま屋のかたい土に小さな穴をあけて巣作りをするハイイロヒゲナガハナバチが来ていました。スズメバチの捕獲用のペットボトルをのぞいてみるとこれから多くなるのかまだ、犠牲になっているハチは意外と少なかったです。
 昨年は冷夏であらゆる生物の繁殖が良くなかったので今年もその影響が残っているのかもしれません。ハチだけでなく虫、蝶、ヤブカも少なめでした。 雨が極端に少ない7月でしたのでその点も生物の繁殖に影響があるかもしれません。
 子育てを終えたのかキビタキが大きな声で鳴いていました。キビタキの幼鳥は声も出さず静かに木々を渡り歩いていました。ヤブサメの巣立ちビナは5センチほどの小さななりで兄弟たちと低空飛行していました。かろうじて撮ってみた写真の顔は幼い顔でした。
 有珠善光寺の自然公園は自然の多様性があり様々な命を繋いでいくオアシスです。7月ヤブカはうるさいですがいろんなものに出会うことのできる絶好の場所でした。
 
ヤブサメ幼鳥
 
ハイイロヒゲナガハナバチ交尾
 
ハイイロヒゲナガハナバチ
 
スズメバチ
 
 メアカミドリシジミ


新たな命生まれる6月  篠原盛雄                          2014.6.25UP

 「新たな命生まれる6月」

 5月は記録的な暑さと乾燥が続いたと思ったら、6月に入りじめじめとしつこい雨、6月14日に予定していたオロフレ山観察会も通行止めのため中止となってしまいました。オロフレ山観察会の担当責任者でしたので、下界から見えるオロフレ山は例年になく雪融けが早く心配になり、5月末にゲートが開いているというので下見に行ってきました。
 例年早くても6月上旬にしか開かない峠までの道のゲートが5月25日には開いていたとの情報の通り、行ってみると道路際には全く雪がありませんでした。雪解けとともに咲き始めるショウジョウバカマはすでに終わっていました。峠に行ってみると、ミツバオウレン、チングルマ、シラネアオイ、ミネザクラは満開状態でした。ツバメオモト、サンカヨウも咲いており6月14日には花の盛りは終わってしまいそうな勢いでした。
 例年6月中旬、オロフレ山の花は最盛期を迎えるはずなのですが、今年は異常でした。しかも記録的な長雨でこの時期の峠の通行止めは初めての経験です。地球温暖化の影響なのか最近気象現象の変化が激しいいような気がします。
 昨年は冷夏で、鳥たちにとっても繁殖が難しい年でした。今年は5月まで暖かで、順調に繁殖活動が進んでいたようですが、ここにきてなかなか厳しい状況になってきているのではないかと心配しています。それでも緑に覆われた池や、川に雛が顔を見せ、草原のノビタキの親たちは巣にヒナがいるのか至近距離までやってきて威嚇をしています。
 昨年の秋〜冬、越冬のカラ類の数は極端に少なかったのですが、その影響か6月になって留鳥のカラ類の姿は稀です。ほかの鳥たちの繁殖も心配していましたが、6月5日壮瞥のゆーあいの湯近くの池に2羽のヒナを連れたカルガモを発見して何かほっとしました。6月9日雨の日でしたが野鳥の会の会員から北糖の池でバンのヒナ2羽の情報があり翌日確かめに行くと生まれたてのヒナが親の後を追いかけていました。その後も観察を続けているとどうやらヒナは3羽のようです。
 私が北糖の池を観察し始めてから18年になります。途中池が改修され半分になってしまいましたが、バンだけは繁殖場として利用し続けています。親子代々北糖の池が我が家なのです。工場の本当に小さな池なのですが大切な場所であると思います。
 6月16日有珠湾の生物調査に行く途中上長和の田んぼにダイサギが4羽もいました。調査が終わって帰りがけに寄ってみるとアオサギも含めてダイサギがまだ田んぼで狩をしていました。蛙か何か狙っているのでしょうが、田んぼに生き物がいるということが最近では珍しいことになってしまいました。
 6月17日、長流川の伊達トンネル上流の川の中の石の上にカワアイサの親子が塊になって休んでいました。様々な命がつながっていくことに希望が見えてきます。鳥だけではなくほかの生き物にもやさしい人間社会のあり方を追求していきたいものです。
 
 カルガモ親子
 
カワアイサの親に乗る雛
 
左アオサギ 右ダイサギ3
 
バンの親子

2014.5.31UP

 
キビタキ
 5月は鳥も花も、そして人との出会いも     篠原盛雄

 今年の5月は今までになく忙しい5月となりました。森ネットも3年目を迎え、より充実した取り組みをと「花と鳥」のこの季節、観察会等盛りだくさんの行事を設定しました。
 自分の休みはほとんどなくなりましたがなんとか5月の総ての行事を消化できそうです。
 新年度からNWCからたくさんの新入会員をむかえ、森ネットとして会員のより強固なつながりをめざした一ヶ月でした。森ネットの活動は始まったばかりです。自然保護、自然との共生をめざした町づくりのために、調査活動、観察会、講演・展示、座学交流を進めています。地域の自然を守り、持続可能な町づくりに貢献しようとしています。
 会員はNPO森ネットを支える主人公です。会員それぞれ、人生を自分のものにすべくNPO森ネットで思いっきり活動していただきたいと思います。
 森ネットは「ひと」の集まりです。その活動を通して人と
の出会いがあります。
 人間一人では笑えないそうです。私自身、山の中で一人きりで笑ったことはありません。
 この集まりの中で「ひと」と出会い、人と共感しあえることが生きる力をあたえてくれると思います。自分が人生の主人公になることが生きる基本となります。
 今年度の森ネットの行事は森ネットの組織の質を高めて行くうえで大きな役割を果たしていくと考えています。会員の皆様には是非、行事に参加していただくことをお願いいたします。

 森ネットの自然観察会は「ひと」との出会いであると同時に「自然との出会い」でもあります。
自然観察の中での植物や鳥や生き物たちとの出会いは、人間をとりまく自然界を再認識させてくれます。この地球に生きる生き物たちが、人間もその生き物の一つであることを教えてくれます。 
 自然破壊が進んでいることを目の当たりに体感して、改めて人間社会のあり方を考えさせられもします。私たち人間はどう生きて行くか問われ続けています。 
               
 5月は様々な花も咲きますが、野鳥がたくさん観察できる絶好の季節です。
 伊達で越冬した鳥がまだ残っていたり、伊達で繁殖するため遠く東南アジアから渡ってきたり、さらにシベリア、北極海沿岸に繁殖地を求めて渡っていく鳥たちが立ち寄っていきます。
 フラワーソンというのがありますが、バードソンなどこの時期にやっているところもあります。一日にどれくらいの野鳥が観察できるか・・・・十年以上前に子どもとやってみたことがありますが、伊達で60種以上の野鳥を観察したのを記憶しています。
 今年も忙しいさなか暇を見つけては野鳥観察に出かけました。今年の5月は昨年と比べると気温が高く桜の開花も一週間以上早く、鳥の移動も少し早まっていました。
 5月上旬はオオルリ、キビタキ、中旬になるとシギ、チドリがやってきました。旅立ちの遅いコクガンは桜が散ってもまだ海岸で青さを食しています。早朝からしっかり観察すればもっと鳥の動きが把握できるのでしょうが、仕事が終わって日も高くなってからの観察では限界がありました。それでも例年通り、オオルリはやってきましたし、シギ、チドリの姿も確認できました。  
 5月の中旬やってきたアルトリ海岸のショウドウツ
バメは巣作りで大賑わいをしています。アルトリ海岸
ではその他アオジ、ノビタキ、カッコウ、オオジシギ、
カワラヒワ、コムクドリなどの声が聞こえてきます。
 どこへ行っても命あふれる季節となっています。
 春、遠くシベリア、北極海へ渡っていくシギ、チド
リは長流川河口、有珠海岸などに立ち寄っていきます。すべて成鳥ですから、警戒心が強く近くで写真撮影は無理ですが、岩、堤防がブラインドとな
るようなところでトウネン、キアシシギ、チュウシャ
クシギの写真をとることができました。
 8月下旬から9月にかけて南下してくる幼鳥は人間
の怖さをまったく知らないのでじっとしていると近        餌をとるキアシシギ
くまでやってきますので写真は撮りやすいのですが、
春のシギ、チドリは成鳥でなかなか写真をとらせてくれませんが、夏羽(秋になると冬羽といって色彩、模様が変わってくる)ですので、同じ種でも違った姿を見せてくれます。トウネンは顔が赤くなります。ムナグロはお腹から顔が黒くなります。キアシシギもお腹にちゃんと横線が入っています。
 遠く東南アジア、オーストラリアからシベリア、北極海沿岸をめざして一万キロ以上旅するこれらの鳥が、エネルギーの補給地として立ち寄っていくのです。自然海岸を残して生物の多様性を確保することがシギ、チドリを守っていくことにつながっていきます。シギ、チドリは年々減少しているといわれています。
 様々な生き物が豊かに存在できることが私たち人間の持続可能な社会の必要条件です。シギチドリの姿を今年の春も確認できてほっとする半面、その確認数に一抹の不安がよぎります。毎年、数えるのをやめたいくらいのたくさんのシギ、チドリの飛来は夢でしょうか・・・・・・。    
 今年、9月南下するたくさんの幼鳥の飛来があることを・・・・・
 願わずにいられません。
 
オオルリ
 
チュウシャクシギ
 
トウネン


5月鳥情報(1)    篠原 盛雄     2014.5.4UP

 
「迷鳥クビワキンクロ(♂)初飛来」
4月21日定点観察の場所の一つである北糖の池へ行ってみますと3日前よりキンクロハジロの数が数羽増えていました。念のため確認しますとその中に「クビワキンクロ(♂)」が当たり前のようにいるではありませんか一瞬目を疑いました。この鳥は北アメリカに生息する鳥で日本では稀に観察される非常に珍しい鳥です。池の近くに野鳥の会の会員がいましたので連絡しておきましたら毎日観察をしていただいて最終確認の報告までしていただきました。4月21日から4月25日まで5日間の滞在となりました。ゆっくりと休息をとり無事旅立っていったようです。おそらく伊達で二度とお目にかかれない鳥の一つと思います。
長流川周辺はこれまでメジロガモ(道内初記録)、オオホシハジロ、マナヅル、カラシラサギ、ツバメチドリ、ダイシャクシギ、ヘラサギなどの迷鳥が立ち寄っています。
渡りの中継地としての地理的な意味を持った場所なのかも知れません。
何が出るのかわからない地域として十分注意して観察を続けて行こうと思います。


「オオルリの飛来」
4月29日有珠善光寺自然公園にオオルリがやってきていました。例年5月上旬に飛来が確認されていますが今年は5月前での飛来となりました。有珠善光寺の桜の開花も1週間ほど早めです。オオルリ、キビタキ、メジロ、センダイムシクイなどが桜の花の中で観察されるのはほんの2週間ばかりの間だけです。5月12日善光寺での野鳥観察会が森ネット主催でありますので是非ご参加ください。
自然の美しさに心を洗われる時間となると思います。


「シギチドリの飛来」
4月下旬から5月中旬にかけては長流川河口、有珠海岸にシベリアへ向かうシギチドリが立ち寄っていきます。すでにエリマキシギ、シロチドリ、ムナグロ、セイタカシギ、タカブシギ、キアシシギなどが観察されています。時間がある時ちょっと覗いてみると思いがけない鳥との出会いがあると思います。
 
オオルリ
 
メジロ
 
クビワキンクロ
 
ムナグロ
 
キアシシギ


「今年の冬は厳冬!しかし冬鳥はたくさん!!」   篠原盛雄   2014.4.1UP

 

タゲリ
  
 今年1月9日からの超〜〜〜長い連続真冬日!今まで凍結したことのない水道がやられました!1月網走では今までにないくらいベニヒワが出現との情報、札幌では3000羽のキレンジャクが現れたのと情報!む 今年は伊達でも期待できるのではと観察を続けていましたら、マヒワが有珠善光寺と開拓記念館でそれぞれ20羽前後が完全越冬しました。イスカの群れもこの冬、間断なく観察され、今までになく2mぐらいの距離で写真をたくさん撮らせてもらいました。イスカはオスが赤い鳥で個体差があり赤い色も微妙に違っています。大写しで見ると嘴は曲がっていますが美しい鳥です。あらためてその美しさに感激しました。
 マヒワはスズメより一回り小さな鳥で忙しく動く鳥ですが、記念館ではじっとしていると目の前3mに降りてきて餌採りをしてくれます。これまた大アップで表情を捉えることができました。キレンジャクは1月末に100羽ほどの群れが北電火力付近にいたとの情報がありましたがその頃はいろいろ忙しく鳥どころではありませんでしたので見逃していました。
 今年のキレンジャクは見逃したかと思っていた矢先、3月に入って伊達のあちこちでキレンジャクの数十羽の群れと出会うことができました。これを書いている3月21日にも洞爺湖町で十数羽の群れに出会いました。出かけると必ず出会う鳥状態になっています。
 網走のベニヒワ情報では今までにないくらいというような表現でしたがこちらでは数羽単位であちこちで観察される程度でした。ベニヒワ自体最近はめったに観察できない鳥になっていましたのでそれから比べるとよく観察されるという表現ができるのかなと思っていました。ところが3月19日久しぶりに早朝長流川観察をしに行きましたら、カモはまだまだピークにはなっていなかったのですが、河口でベニヒワの200ばかりの群れに出くわしました。まだ日の出前でしたので光量が足りずまともな写真はとれませんでしたが驚きの一瞬でした。
 その日は一日空いていましたので、午後からまた観察の出かけると長流川河口に浮いているカモを一応確認していましたらなんと他地域ではなかなか見ることのできない絶滅危惧種に指定されているトモエガモが9羽もいるでありませんか!近くで撮影できないかと川岸に寄ってみましたが、カモたちは横目で見ながらどんどん遠ざかり遠くからの証拠写真にしかとれませんでした。久しぶりに一日空いていましたので、念入りに周辺をゆっくり観察して帰ろうとすると、畑に数羽のベニヒワが採餌していました。車の中でじっと近づいてくるのを待って数枚の写真をとりました。
 しばらくすると仲間たちと飛び立っていきましたので車を動かして私も帰り始めました。北糖の南東側の道を通り過ぎようとした時道路わきの畑から数羽のベニヒワが飛びたちました。車を止めて双眼鏡で覗いてみるとなんと今朝のベニヒワの大群でした。雪の融けた畑で盛んに何か食べています。保護色なので肉眼では確認できません。
 早朝うまく写真に撮れませんでしたので、車から降りてゆっくり歩いて近づきました。餌採りに夢中で2mの距離まで近づくことができました。じっとしているとほかの鳥もやってきて目の前で草の種を探していました。とその瞬間私の頭の上をゴーという音がしてハヤブサが通過していきました。ベニヒワは一瞬凍りつきましたが、我に返って全員林に避難していきました。  
 200羽ほどの群れは今までにないくらいの規模です。網走の情報はここでも正しかったとうれしくなりました。鳥との出会いは一期一会です。なかなかめぐり合えない鳥が200羽も飛び交う光景に自然の豊かさを感じます。心をほっとさせる光景です。今年の冬の伊達での野鳥たちとの出会いはごちそうさん!と言いたいぐらい様々な鳥が現れてくれました。
 オオワシ、オジロワシ合わせて40羽もの越冬、シラガホオジロ40羽ほどの出現、チョウゲンボウの出現、今までにないくらいのイスカの越冬、キレンジャクの長い越冬、ベニヒワの大群、トモエガモ9羽のたち寄り、人間にとっては厳しい冬でしたが、伊達での冬鳥の観察は今までにないくらい収穫の多い年となりました。
高が鳥の観察なのですが、その観察を通して地球の生きものの鼓動を聞くような気がします。
 様々な鳥が飛び交うことが自然の豊かさの証明であるように感じます。
 環境汚染、環境破壊が進行する現在なんとかそれを食い止める手立てを確立することが求められています。貴重な鳥たちとの出会いでほっとする半面その思いがますます強まっていきます。
 
ベニヒワ
 
トモエガモ
 
マヒワ
 
白鳥
 
キレンジャク
 

 冬を越す小鳥たち  篠原盛雄    2014.3.6UP

  
 全道の鳥の動きの情報を見ていますと今年は冬鳥のあたり年のようで各地でマヒワ、ベニヒワ、キレンジャクの報告が載っています。       伊達でも期待して観察をしていますと、1月に40羽ほどの群れを観察したシラガホオジロも2月10日に7羽北電西田んぼで再び観察しました。どうやら伊達でひと冬越したようです。
 開拓記念館ではベニヒワ、マヒワが越冬していました。日当たりのよい雪の融けた土手で十数羽のマヒワ達は盛んに餌取りをしています。3月に入ってナナカマドの実はすっかり無くなっているのですが雪が解けて地面に残っている実を求めてキレンジャクの群れがまだ伊達で飛び交っています。
 今年の開拓記念館はシメの群れ、ツグミ、ヒヨドリも多く2月中旬からはイスカの群れがやってきてにぎやかになっています。様々な樹木があることが開拓記念館の生物の多様性を可能にしています。
 コンクリーとの建造物が増えていますが街中にオアシスのような森があることが人びとの癒しとなると思います。
 森づくりも実施されていますがもっとスピード感を持って行政が取り組んでいかなければならないことだと思います。
 
 アトリ♂
 
 キレンジャク
 


 
 イスカ♂
 
 イスカ求愛給餌
 
 福寿草
 
 マヒワ

 今シーズンの伊達越冬マガン 篠原 盛雄    2014.2.12UP

 
  1月下旬から2月上旬まで2週間伊達も真冬日が続き2月8日には−15℃を記録しました。
 積雪もあり、一気に冬がやってきました。1999年から伊達での越冬が始まったマガンは今シーズン90羽前後で越冬しています。今年も1月から積雪の比較的少ない北稀府の畑や田んぼで採餌して生活しています。北稀府一帯を熟知しているようで、採餌場を変えながらこの冬を乗り切ろうとしています。 暖かだった12月中旬には120羽以上いたマガンが年末には90前後に減りました。1月の大寒波を予測したのでしょうか?
 北海道での越冬は日高の静内で始まりましたが、この2,3年は静内での越冬が不安定になり今年はウトナイ湖に近い鵡川、厚真で200羽あまり越冬するようになりました。伊達の越冬マガンもウトナイ湖経由でやってきますが、ウトナイ湖に遅くまで残るマガンが湖の凍結で周辺へ南下し越冬しているようです。
 近年12月は比較的暖かに推移しています。
 地球温暖化の影響か気候変動が激しいですが、マガンが北海道で越冬できる気温の上昇が確実に進んでいるのかもしれません。
 マガンは土地に対する執着心が強い鳥です。越冬の環境が良くなれば越冬マガンの数は今後とも増えて行くものと思われます。
 地球温暖化のメルクマールとしてその動向が注目されます。
 
 
 
 

 1月8日までの暖かな鳥たちの越冬 <写真:オジロワシ>  篠原盛雄 2014.1.10UP

 
  1月8日までの今年の冬は積雪もほとんどなく温かでした(9日からは厳冬がやってくるようですが)。気温が高かったせいかナナカマドの実もふさふさと木についたままです。越冬の鳥たちは毎日ナナカマドの木にたかっています。今年はシメが100羽ほどの群れをつくり、北電火発周辺を飛び回っています。その中にヒヨドリ、ツグミが混じっていてにぎやかです。キレンジャクが来てもよさそうなものですがまだ姿を見せていません。
 1月5日から6日にかけて長和町の田んぼに非常に珍しいシラガホオジロの40羽ほどの群れが観察されました。シラガホオジロ自体がなかなか観察できない鳥ですが40羽もの群れを観察できたのは非常に珍しい出来事でした。
 気温が高かったせいで長流川のサケの遡上も12月中旬まで続き、そのためかオジロワシが30羽以上越冬しています。最近は国道に架かる長流橋の周辺で当たり前のようにサケの死骸を食べています。今まで多くて十数羽が越冬の最高数でしたが今シーズンは「倍返し」となりました。長流川が西胆振でオジロワシの最大の越冬地となっています。
 1月8日道からの依頼でガン・カモ調査を実施しました。朝9時ころいってみましたら、河口付近にいつもいるカモの姿が見当たりません。さては発砲したやつがいるなと調べてみるとやはり河口の下水処理場の出水口付近に散弾の薬きょうが落ちていました。
 目の前に発砲禁止の立て札があるに全く不届き千番!おととしは40発も落ちていました!
 発砲野放しの長流川河口でのガン・カモ調査は全く意味がありません。2013年北海道生物多様性保全条例が策定されました。早急な保護対策が必要です。

 温かな冬のせいか、1月8日に調査日に今まで冬に観察されたことのないチョウゲンボウが長流川河口で観察されました。いつもとは違った鳥たちの出現となっています。
 伊達は鳥たちにとって越冬に適したところです。今シーズンもいろんな出会いがあるのではないかと期待しています。
 
 
 
 
   ワシの生る木 何羽いるように見えますか 1羽はカラス        <答え>12羽でした          次号につづく 

 12月上旬長流川             篠原盛雄  2013.12.18UP

オオワシ
  
 今年の12月上旬は温かな日が続きました。12月10日は低気圧の通過で温かい空気が流れ込み18時でも10度ありました。流石に12日は朝から霰が降り久しぶりに路面はアイスバーンになりました。朝壮瞥に行くために関内を通って伊達トンネルを通りましたが、ひやひやものでした。いよいよ雪でしょうか・・・・これから気温がぐっと下がっていくようです。
 雪のないのを幸いに12月4日長流川上流を散策してみました。伊達トンネル上の可動式ダムは12月10日までペンキの塗り替え作業でプレハブ小屋などが設置され、かなり大がかりにやってました。それを避けて河原を上流に向かって歩きました。
 この時期にしては遅いサケの遡上がまだ観察されます。一見何も居ないように見えても対岸の林からオジロワシが飛びたってきます。よく見るとオオワシも混じっていて頭上を旋回しています。広い河原に寝転んで、旋回しているワシ達を待ちうけて写真を撮りました。西風が崖にあたり上昇気流があるのか風に乗り高く旋回していました。 雲が多い日でしたが、時々青空も見え温かな日和でした。サケの卵を狙ってカワアイサが数羽サケに付きまとっていましたが、人影を察知して上流に飛び立っていきました。10年ぐらい前、カワアイサは珍しかったのですが、ここ数年の間に、伊達周辺でも繁殖が始まりその数を増やしています。せっかく遡上し自然産卵をしているサケの卵が次々と食べられてしまうのは残念な気もします。
  雪のない風景の中でのワシの飛翔は物足りない感じがします。雪の風景はワシによく似合います。ほほを刺すような寒さの中で飛ぶワシの姿は感動的です。激しい雪の中を飛ぶオジロワシの幼鳥を撮影したことがありますが・・・「ワシには雪が良く似合う!」。
 ワシにとってはやっぱり寒いんでしょうけど雪の中のワシの姿は精悍に見えます。
 切れ切れの雲の間から、陽がスポットライトのように山を照らします。
 条件が良ければ昭和新山も有珠山もくっきりはっきり素晴らしい姿を見せてくれます。
 12月4日はもう一息のところでした。雪のない対岸の林のモザイク模様も良く見てみると意外に美しいものです。ほんの400mばかりの散策でしたが、人間世界から隔離された別世界でした。ゆっくりゆったりと自然の時計がまわっていました。

<今年は温かいせいかサケの遡上もまだかなりあり、伊達トンネル下流のダム付近では150以上、上流のダム付近では50以上の元気なサケの姿を観察できました。
 
 オジロワシ
 
有珠山
  11月27日小雪がぱらつきましたがその時は30羽以上のオジロワシ、3羽以上のオオワシが観察できました。その後オジロワシは分散したのか、さらに南下したのかそれほどの数を確認できません。  その時はその数でそのまま長流川で越冬かと思いましたが、そうでもないようです。12月11日では長流川でオジロワシ十数羽、オオワシ3羽が確認されています。12月1日野鳥の会の探鳥会では十数羽のワシ柱を見ることができました。まだ雪も本格的に積もっていませんので今年のワシの越冬数はもう少し後までわからないかもしれません。
 12月11日現在伊達の越冬マガンは90余りですが、今年は雪遅く温かいためか苫小牧のウトナイ湖には3,500のマガンの群れが滞在しています。伊達の越冬マガンはウトナイ湖を経由してきますのでマガンの越冬数の確定も今年はまだ先のようです。
 例年沢山やってくるクロガモのまだ少しです。初冬の暖かさが鳥たちの移動にも影響を与えているようです>
 
昭和新山
 
ツルウメモドキ

11月長流川 篠原盛雄  2011.11.21UP

 
オオハクチョウ
 
カワアイサ
 
マガン(天然記念物)
 
ダイサギ


10月は野鳥の渡りのピーク(写真)             篠 原 盛 雄 2013.10.12UP

 

トビ
 

ハチクマ
 

マガンとオオヒシクイ
 
 ホシガラス
 10月は野鳥の渡りのピーク(文)             篠 原 盛 雄

 近年気候変動の影響が懸念されています。今年の夏も本州は異常な高温でした。サケの遡上が1カ月遅くなっていること、秋の気温が異常に高いこと、しばしば巨大台風が発生すること、今年は各地で竜巻の被害も出ました。いつも大体同じ感じで推移していた気候も、最近は予測がつかない動きをします。今年も初夏が冷涼でした。秋になって蚊が結構出てきましたが、夏は虫の発生は少なめでした。気候変動が生物に与える影響も大きく、とくに繁殖に大きな影響を与えます。例年8月中旬からはシベリア、北極海沿岸からシギチドリが南下してきます。シギチドリの中継地である有珠海岸はシギチドリの繁殖具合を観察できるひとつの窓です。北極海、シベリアの気候はどうであったのかは分かりませんが、長年観察記録を続けていると例年との違いが気にかかります。
 トウネンという鳥は北極海沿岸で育ち8月下旬から9月の上旬にかけて有珠海岸に立ち寄ります。その時様々なシギチドリも混じりますが、今年とくに気になったのは例年40〜50羽にも飛来するキアシシギが2〜3羽しか観察されなかったことです。トウネンの群れの大きさも最大で50〜60羽で例年の半分以下という寂しさでした。他のシギはほとんど観察できませんでした。例年秋長流川河口にカワラヒワの群れがしばらく餌採りに群れをつくるのですが多い時には400羽にもなります。今年は数十羽程度にとどまっています。
9月中旬のハチクマの渡りを観察しましたら、ピーク時60羽ほどになりましたので、これは例年並みかと思います。今年も伊達風車増設計画に対する野鳥調査を9月から実施していますが、10月はノスリを中心に猛禽類がどのように出現するか楽しみにしています。
 野鳥の会主催で10月13日8:30に室蘭市測量山唐松平でワシタカを見る探鳥会があります。10月27日にはこれも野鳥の会主催ですがヒヨドリの渡りを見る会があります。これには森ネットの今年最後の自然観察会として参加することになっています。
 10月中旬から下旬にかけての室蘭市絵鞆半島は様々な鳥たちが通過していきます。
 まだ日も昇らない薄暗い中、小鳥たちは互いに声を出し確認し合いながら、50ぐらいの群れをつくりながら次々と対岸に向かって飛び立っていきます。(夜も沢山渡っているようです)渡りのルートとはよく言ったもので、大体同じようなところを群れが通過していきます。
 風車建設計画が持ち上がってきてから、野鳥の会でここ数年独自に調査を実施してきましたが、大体の渡りのコース、その規模が見えてきました。その詳細が分かれば可かる程、風車が人間生活だけでなく生態系へあたえる影響について大きな懸念を抱かざるを得ません。
 風車増設計画は着々と進められており、自然環境調査が昨年からさらに積み上げられています。ユーラスエナジー社は昨年の環境影響調査準備書提出を強行し、既存5基の上にさらに25基もの風車増設を目論んでいます。今までの調査、野鳥の会で昨年提出した意見書と調査報告書を参考に判断すれば、25基もの風車増設が環境に与える影響は甚大なものになることは明らかと思うのですが、ユーラスエナジー社にはなかなかその辺が理解できないのか、したくないのか、
 野鳥の会の意見書に対して回答すらよこさない対応となっています。
 その姿勢に対して、本当に環境に配慮した風車建設をする気があるのか疑念を持たざるを得ません。今年の野鳥調査も正確な環境影響評価書作成をさせるためのものです。
 昨年2カ月にわたって詳細に調査しましたが、今年の調査と重ね合わせることによって、さらに正確な渡りの資料が出来上がると思います。
 国策と称してあたかもそれが錦の御旗でもあるかのように進められている全国各地での大規模な風車建設はよほど慎重にしなければ大きな禍根を残すことになると思います。
 地域に住んでいる私たちが真実を知り動いていかなければ、金儲けのためにやり放題です。
 鳥との出会いを楽しみながら、地域の自然を守っていく仕事ができたならば一石二鳥と言えます。野鳥調査は朝6時ころからですが、自然は不思議で毎回違った出会いを準備してくれます。人間だけがこの地球で生きているのではなく、様々な生き物たちのリンクに中で命を繋いでいることを実感させてくれます。原発廃止の流れが自然再生エネルギーへの転換という方向へ向かっていますが、マスコミにしろ、政治にしろ100年先を見通した環境への配慮に全く目を向けていません。根本的な環境問題を解決せずに未来へ人間社会を引き渡していくことはできません。
 今の私たちが考え果たしていく歴史的役割とは何かをしっかり捉えなければ未来は暗いと思います。環境問題の解決に人間にあたえられている猶予は限界にきていると思います。私たちの社会のあり方そのものの是非があらゆる面で問われていると思います。蛙を水に入れてゆっくり暖めてやると熱さを感じないままゆだってしまうと聞きますが、今、私たちは蛙になっているのではないかと思います。
 企業も、国、地方公共団体の行政も、そして私たち個人も明確な理念のもとに何のために何をするのか、を明らかにし誠実に環境問題に立ち向かわなければならないと思います。
 私自身に残された時間の猶予も限界に近くなってきています。退職はひとつの仕事の停止ですが、生きている限り社会からあたえられている課題に立ち向かう仕事は終わることはありません。残された時間でできることは高が知れているのですが、できるところまでやるしかないと思っています。この社会を誰かに任せるのではなく、無駄な抵抗と自覚しながらあきらめず生きて行こうと思っています。たまには生きる喜びを感じつつ・・・・・


8月有珠湾の小さなオアシス  篠原盛雄  2013.9.13UP
  --------カワセミ、近接撮影できました------------

 最近天候不順というかなかなか予測のつかない気候の変化に見舞われています。
 春先から初夏にかけての冷涼な気候、暑さが来ると猛烈な暑さが続き、   12月頃まで温かさが持続するというパターンになっているような気がします。今年も春先は寒すぎて桜の開花が2週間ほどずれました。春先、今までにないくらい西胆振ではオオルリがあちこちでたくさん見られ、ノゴマも例年になく観察されました。気候のずれが野鳥の観察からも見ることができます。長流川河口では毎年2羽ぐらいのカワセミは何時も観察できたのですが、今年はなかなか観察できませんでした。虫の出も少なくそのせいか伊達市周辺での野鳥の出現数も少なかったです。繁殖に影響をあたえたようです。
 8月25日は野鳥の会で長流川河口と有珠の探鳥会を実施しました。前日、事前調査で一回りしましたが、鳥のいないことには驚きました。8月下旬は生まれて巣立った幼鳥がたくさんいるはずなのですが、その姿を見ることができませんでした。唯一、有珠湾でカワセミの幼鳥が生活していて、盛んにダイビングをして魚を捕らえていました。
 人に脅されることなく安心して生活しているのか、そっと見ていると様子をうかがいながらも目の前2mのところへ止まってくれました。またとないチャンスとばかりカメラで連写させてもらいました。カワセミは嘴から尾っぽまでわずか17センチばかりの鳥ですので20mも離れてはとても写真になりません。ブラインドもなく2mの距離での撮影は普通あり得ませんが、有珠湾ではそんなことに偶然なってしまいました。
 まだ幼鳥ですので胸に黒さが残っていたり、幼さが残っていますが背中の明るいエメラルドグリーンは目にも鮮やかです。カワセミの生態をじっくり観察できるところはほとんどありません。有珠湾の胸まであるコンクリート護岸の高さが人と鳥の壁となって鳥に安心感をあたえているのかと思います。今日(9月8日)も元気に小魚を捕っていました。飛び込む瞬間を写真にと狙っては見たものの、あまりの早さに、1/1600でも捉えることができませんでした。その運動能力に驚かされます。8月25日探鳥会当日もほかでほとんど鳥を観察できないままで終わろうとしていた時にあらわれてくれ参加者も目を楽しませてくれました。

 8月31日にも観察していると、雨が降り始めた11時ころ、なんと3羽の幼鳥があの狭い有珠湾の奥に来ていました。カワセミにとって手頃な大きさの魚が捕りやすい最高の狩り場なのだと思います。秋になると様々なカモたちも沢山やってきます。さしわたし30mほどの狭い空間が鳥たちにとってはかけがえのないオアシスなのかもしれません。
これからも大切に守ってやるべきところと思います。

   
 
 


谷藤川の蝶 篠原盛雄 2013.8.15UP

 
コムラサキ
 
サカハチチョウ
 
オオウラギンスジヒョウモン
 

 エルタテハ
 
スジグロチョウとハエドクソウ
 
ミヤマカラスアゲハとクサギ
 
マルバキンレイカ
 
ホツツジ
 
クジャクチョウとヨツバヒヨドリ
 



有珠の春 鳥がたくさん 篠原盛雄 2013.6.25UP

 
キビタキ
 
 コゲラ
 
 コムクドリ
 
 コサメビタキ
 
キョウジョシギ
 
 マミジロ
 
 オオルリ
 
エゾリス

6月1日「春 長流川」 篠原盛雄2013.6.5up

 例年になく寒い春となりました。山々の降雪量も例年になく多いようで、長流川の水量は例年の5倍はあるように見えます。5月下旬となれば田植えの時期、この時期にウグイが産卵のため海から遡上してきます。今年は水量も多く、産卵場所の砂礫のある所は産卵する状況ではありません。桜の開花が10日ほど遅れましたがそれに合わせるように鳥たちの移動も遅れがちでした。
 今年は長流川河口でのシギチドリの観察も少なく、もう終わったと思っていましたら、5月17日、Hさんから昼にメールが入っていて、河口にホウロクシギが19羽いたとの連絡がありました。これはまだいると思い夕食後、18時ころ河口に行ってみました。長流川新橋の上から観察をしていましたら、ホイーン、ホイーンという独特の鳴き声がしてパイプラインの下あたりに下りてきました。
やっぱり!と思い急いで対岸の護岸から写真をとりました。よく数えたところ21羽もいました。これまで十数羽が最高の飛来数でしたから今までにない数でした。
 ホウロクシギは東南アジア、オーストラリアで越冬し、カクチャッカ半島、シベリアで繁殖します。絶滅危惧種に指定されておりこの辺でたくさん見られる鳥ではありません。嘴から尾の先まで63センチもありウミネコより大きくこの鳥の飛ぶ姿は見ごたえがあります。長流川油断してはならない川だとつくづく思いました。心を入れ替えて次の日からまじめに観察をしました。

 
 ノゴマ
 
 ホウロクシギ

 翌日驚いたことにノゴマが囀っていました。この鳥も長流川では旅鳥で4~5年に一度見かける鳥です。30mほども離れたところでしたが、すぐに隠れてしまいました。少し待ってみましたが、気配もなくあきらめて車で帰りかけましたら、前方に追いかけ合っている小鳥がいました。車を止めて双眼鏡で覗いてみるとノゴマのオスが2羽言い争いでもしているように飛び交っていました。観察しているとなんと車の近くの木に飛んできてそこでお互い向き合って囀っています。あわててシャッターを切りました。ほんの1~2分の出来事でした。のどが赤く、姿も美しく囀りも素晴らしい鳥です。
 網走にいたころ海岸のハマナスの花の上で囀っていました。この辺ではなかなか近くで写真をとることができませんので、ラッキーな瞬間でした。しかもこの日一度に3羽のノゴマを観察したのも今までになかったことです。5月の中旬有珠善光寺ではオオルリ、キビタキがそれぞれ10つがい以上一度に観察されました。この時期室蘭地区のあちこちで今まで見られないようなオオルリ観察の報告がありました。寒い春は小鳥たちを足止めさせたのかもしれません。
 5月14日伊達ロータリークラブ主催で長流川の清掃が昨年に続き実施されました。  今年は伊達高校の1年生も参加し、総勢200人以上で1時間にわたりゴミ拾いをしました。
 「長流川をサンクチュアリに」を合言葉に自然を守っていく動きが一歩前進したように思えました。有珠善光寺自然公園にしろ守るべき自然をもっと知らせて行くことが大切と鳥たちの思いがけない飛来から改めて考えさせられました。

 
 ホウロクシギ
 
 イワツバメ
   


豊浦町 小幌プチ探検! (公財)日本野鳥の会室蘭支部  篠原盛雄13.5.11UP

 
 昨年豊浦町主催で小幌の自然観察会がありました。森ネットもガイドとして事前調査、当日のガイドも担当しました。今年は5月11日礼文華山道も新たにコースに入れ、たっぷりの自然観察会を予定していました。5月1日その事前調査に出かけようとしましたが、礼文華山道は昨年の11月末の暴風雪で倒木がひどく、とても歩ける状態でないことが分かり、急遽小幌海岸のみの事前調査となりました。
 豊浦駅8:14発の長万部行きのJRに事前調査隊4人が乗り込みあの小幌駅に到着。驚いたことに駅にあった駅舎、最強に汚い便所が跡形もなく取り壊され更地になっていました。まず昨年眺めただけであった西海岸のピリカ浜に降りることになりました。雪は融けてありませんでしたが、小雨の中足元が滑りやすく、急峻な崖を頼りなさそうなロープを頼りに慎重に崖下の海岸へ下りました。少し引き潮で海岸線を奥まで歩くことができました。
 数百万年前からの火山活動で堆積した地層が隆起し浸食をうけ変化に富んだ海岸風景を作っていました。今年の春は寒さがまだ続いており春が始まったばかりの装いでした。オオルリなどの夏鳥の姿は見られませんでしたが、イソヒヨドリの姿と声を聞くことができました。崖の上部に空いた大きな洞穴が3個縦に並んでいます。数百万年の時間の長さを感じました。崖の中腹にはミヤマビャクシンと思われる樹木が散見され、人の手がかかっていない自然を見ることができました。海岸には残念ながら漁具の浮玉等が流れ着いていましたが、ピリカ浜の名にふさわしい美しい海岸でした。ここでの調査は早め秘境の駅「小幌」駅はトンネルとトンネルの間に終えて再び急峻な崖をロープを頼りに息を切らせながら登りました。
 次は小幌の海岸へ降りる道の調査です。やっと雪が解けたような状態で、ナニワズ、エゾエンゴサク、カタクリが咲いていました。ツルシキミの花がつぼみをふくらませており、開花ももうすぐと思われます。後10日後、温かさが戻ってくればニリンソウなども開花してくれるものと思われます。小幌へ降りる道も昨年の暴風雪で倒木が何箇所かあり、地元の方々の尽力で倒木処理が行われていました。我々も少し手伝いながら小幌海岸へ下りました。最後の斜面にはカタクリが満開で我々を迎えてくれました。
 小雨の中、洞窟で早めの昼食をとり、帰りは小幌海岸へ流れ降りる小川の沢を上って国道の礼文華トンネル付近まで行くことになり、踏みわけ道をふさいでいる倒木を処理しながらの沢登りでした。私たちにとって初めてのルートでした。沢の入り口は狭く、急峻でしたが奥は少し広がりのある沢となり斜面にはカタクリなどの山野草が一面にありこれが開花したら素晴らしい光景になるのではないかと想像されました。
 しかしここは予想以上に倒木がひどく、何箇所も道が塞がれていました。豊浦町の職員の方々ボランティアの方がチェンソーを使って道を開削していました。我々も腰に気を使いながら丸太の除去を手伝いました。小幌の小川の水は澄み、川岸の石にはコケが繁茂し手つかずの自然の風景が広がっていました。途中には桂の古木があったり、ユリワサビが花をつけていたり、久しぶりに質の良い自然にめぐり合いました。人の手が入らないままの自然が貴重となった今、地域に残されたありのままの自然の姿を見ることが出来る数少ないところと思います。
 たいへんな重装備をしなくても、ハイキング程度で質の良い自然を体験できる場所はなかなかないと思います。
 140年前は当たり前であった地域の自然が今はその面影すら想像できなくなっています。私たちが自然をイメージする基準となる場所は限られた場所になってしまいました。地域の自然遺産として保護し次世代に伝えていかなければならないと思いました。
 5月11日の自然観察会は残念ながら礼文華山道はいけませんが事前調査に参加して、改めて参加者の期待を裏切らないところが小幌の自然だと思います。山坂があって少し登山気分ですが、ほとんどの人が参加できるところもここの優れたところと思います。昨年は75人と大人数でした。今回もすでに参加者申込が50人を超えていると聞きます。当日は晴れて素晴らしい観察会であることを願っています。  5月1日。 写真は行事の頁に。
 


「オオハクチョウの旅立ち」 (公財)日本野鳥会 室蘭支部 篠原盛雄 (NWC了承4月)13.4.17UP

 今シーズンの雪の多さ、寒さは記録的でした。長流川のオオハクチョウをはじめとするカモたちは例年3月末にはほとんど北へ旅立っていくのですが4月に入ってもゆっくりした様子でした。去年3月中旬に有珠善光寺でフクジュソウの開花を確認しましたが今年は3月31日でした。今年の雪解けはかなり遅れるであろうと思っていました。
 ところが4月6日から7日にかけて暴風雨がやってきました。4月に入ってからの台風並みの暴風雨というのは今まで経験のないことでした。大滝では170mmもの大雨で崖崩れがあり通行止めになる始末です。地球温暖化の進行の影響でしょうか、気象現象の乱高下が激しくなっているような感じです。
 この20年振り返ってみて気がかりなのは季節ごとの気圧配置の様子が変わってきていることです。それによって季節の間隔がずれてきていること、気圧配置のずれにより風向き、降雪量に変化が現れ、気温にも変化が現れていることです。
 20年あまり前、全世界が集り地球サミットが開催されその中で地球温暖化対策への取り組みが決議されました。持続可能な社会に向けて生物多様性を維持し地球環境を保全する取り組みも進められることになりました。しかし現状を見ると、アメリカ、中国等主要大国がこれらの取り組みから外れているような状況ですから、まだ未来への道筋は見えてきません。
 それぞれの国で様々な課題を抱えそれに翻弄され、今国際的に取り組むべき課題に取り組む力とその意志力が欠落しています。今、日本でもアベニミクスなどと持てはやされ、株価上昇、円安に振れて、景気がこれから良くなるような気持ちにさせられていますが、金欠病の大半の国民にとって消費税率の上昇、諸価格の値上げは実質所得の低下をもたらし、実生活に大きな影響を与えて行くものと思われます。バブル崩壊後の日本でも新自由主義が経済立て直しの手法としてはびこってきました。
 小さな政府・・教育・社会保障の削減(自己責任)による政府財政の削減、競争原理を強化するため規制緩和を行い、経済のグローバル化(国際化)の波に乗っていく政策が続けられてきました。日本の大企業も中国をはじめ海外へ生産拠点を移し、利潤拡大へ邁進してきました。その一方国内では競争原理のもと労働形態の多様化がすすめられ、派遣会社が大手を振るって社会の前面に出てくるような状況が作られました。
 非正規雇用が日常化し、低賃金労働が当たり前の社会となりました。長時間労働、労働強化、低賃金の環境におかれたこの20年、賃金格差、社会格差が拡大し続けています。アベノミクスも目新しい政策ではなく、今までの延長線上にあると言えます。経済再生と言いながらそれは根本的な国民の生活を守っていく改革ではなく、ミニバブルを作りあげながら大金をもっている連中の利潤を確保していくという道筋です。
 富めるものはますます富み、貧しきものはますます貧しくなるという格差拡大の方向は変わっていません。大量の通貨発行はおそらく、投機資金に回り様々ものの価格上昇をもたらすマネーゲームがまた懲りもせず展開していくことと思います。経済は何のためにあるかその根本に立ち返って、目先の利潤追求に明け暮れる社会の仕組みから一歩離れて、客観的に社会のあり方を見つめることが大事と思います。
 新自由主義の経済政策の中では地方は競争原理のもと衰退せざるを得ません。小泉内閣は財政削減をするため市町村統廃合を実施しました。うかうかしていると、地域共同体の住民力さえ奪われてしまします。
 住民主権の行使は地方政治の選挙権行使だけでは地域の生活を守れないことがはっきりしてきました。国の政治も、地方の政治も政治屋に任せて行けばよいという考えは終わらせなければならないと思います。人任せでなく住民自ら考え、物申し、社会創造に係わっていくことが今必要な事と思います。社会の仕組みが完成していて、安心してすべての人が自分の生涯を送ることが出来るのであれば、自分の手の届く範囲の中で、暮らしていけばいいのでしょうが、現実はそうさせてはくれません。
 明確な回答、未来への道筋はすぐには・・・生きているうちには見えてこないかもしれませんが、人々の知恵と力を集めながら私たちの生活を確保していく地域社会の創造を試行錯誤していくしか道はないと思います。巨大なマネーが世界を駆け回るのを自由にしている現代社会の中で、自分たちの生活を守るあらゆる意味で自立した地域社会の仕組みを作りあげ、子どもたちに手渡して行くことが生きている私たちの仕事ではないかと思います。
 4月9日朝5時長流川河口に出かけました。暴風の後鳥たちはどんな動きをしているのか確かめるためです。3月末まで河口は270羽のオオハクチョウ、200羽以上のマガン、数百のカモ類で埋め尽くされていました。驚いたことにオオハクチョウは上流に10羽、マガンの姿は全くなく、カモ類も数十という少なさでした。
吹いてきた強風に乗りほとんどの鳥が北へ飛びたちました。半年の間にシベリアで子育てをし、また帰ってくるまで、河口でオオハクチョウの大きな声を聞くことができません。
 今年も3月になると長流川河口には近郊のオオハクチョウが終結しました。陽が昇ってくると、小グループで餌場へと次々と飛び立っていくさまは力強く、自然の中で生きる姿は感動的です。鳥たちは自然の中で、自然の摂理に従って生きています。人間も本当はそうなんですが、それを意識することが出来なくなっています。
 地球での人間の存在を今一度客観的に見つめることが自分の生き方を考える上での出発点かもしれません。おそらく人の生きる姿も感動的と思います。わたしもこの困難な社会の中でイキイキと生きていきたいと思います。もしできることなら鳥のように翼をください・・・!

 
 オナガガモ ヒドリガモ
 
 
 カワアイサ
 ハクチョウ


今年の自宅庭の餌台にやってくる鳥たち 篠原盛雄  2013.3.21UP

 
スズメ
  今シーズンは記録的な寒さでした。降雪も結構あり、越冬の鳥たちにとっては過酷な冬となりました。
 一番厳しい暴風雪の朝にはスズメが500羽ほども集まりたいへんなことになりました。
 それを狙ってハイタカも1月末から毎日のように現れるようになり、ヒヨドリ、スズメが数羽犠牲となりました。
 2月中旬にはキジバト、メジロが姿を見せました。
 これも初めてのことでした。ヒヨドリ、ムクドリ、ツグミ、カラ類など今年は17種が餌台にやってきました。
 常連となった鳥たちもなんとか無事に春を迎えることが出来そうです。

 
 メジロ
 
 ヒヨドリ
 
 ハイタカ
 
 ハイタカ

   


冬伊達開拓記念館の生き物たち 篠原盛雄 2013.2.11UP

 11月末の湿った暴風雪により開拓記念館の木々も幹がへし折られ無残な状態となっています。現在立ち入り禁止になっていますが、そんな中でも生き物たちは元気に生活をしています。
 2月10日川の横から観察していますと、ツグミ、ヒヨドリ、アカゲラ、コゲラ、ゴジュウカラ、ハシブトガラ、シジュウカラ、ヤマガラ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ウソなどが餌採りをしていました。栗の木にはエゾリスが2匹いて秋に蓄えたのか栗を握ってかじっていました。
 毛並みも良く、とても元気そうでした。町の中に生き物の姿を間近に観察できる開拓記念館は癒しの空間です。

   
   
 ゴジュウカラ
 
 セグロセキレイ
 
 ツグミ


長流川のワシたち  篠原盛雄 2013.1.19up

   長流川のワシ達
  長流川では毎年オオワシ、オジロワシが越冬しますが、今シーズンは今までにないくらいの数が越冬しています(オジロワシ20羽±、オオワシ4羽±)。河口から中流にかけていたるところで見られます。
 国道にかかる長流橋の上を20メートルほどの高さで横切る姿をよく見かけることがあります。橋の下あたりでホッチャレをつついているオジロワシの姿を見ることもできます。
昨年秋の大雨でサケの捕獲施設が流された関係で遡上したサケが上流まで達し、広範囲にホッチャレが残っていることが多くのワシの越冬を可能にしています。
 河畔林や川周辺の上空に目をやるとカラスよりはるかに大きな鳥の姿を見ることができると思います。それが越冬しているオジロワシ、オオワシです。どれも天然記念物です。
このように町の間近で見られるところはなかなかありません。
 長流川は鳥たちの重要な越冬地となっています。鳥たちを驚かさないように気をつけながらバードウォッチングをしてはいかがでしょう。
   


越冬マガン 篠原盛雄 2012.12.13UP

    12月12日久しぶりにマガンの様子を見に出かけました。
 11月下旬は暴風雪で伊達でもたくさんの木が倒されました。
 その後も暴風雪で30センチほどの積雪もありました。
 10月からやってきている越冬マガンの状況もどうなっているか確かめにたかったからです。
 するとちょうど、マガンが飛翔しているところに出くわし、有珠山を背景に飛んでくれないかという願いが届いたのか、高く舞いながら有珠山を背景に飛んでくれました。
 フェールドスコープ貸し出し中なので、遠いマガンの数を正確に数えることはできませんでしたが100羽を超えるマガンが越冬しています。
 今年の冬はどう展開するのか分かりませんがマガンの採餌がうまくできるように、雪があまり積もらない冬であるように願っています。
 
 



伊達開拓記念館の林10/31  篠原盛雄 11/5UP

 開拓記念館の林は街中にあるまとまった林です。様々な木があり、池があり、川が流れておりある意味で自然
の多様性に富んだ状態になっています。
 晩秋10月31日に訪れてみると、2匹のエゾリスがクルミの外皮をむいて冬場の越冬のためあちこちに埋める
作業を忙しくしていました。
 鳥の渡りも終盤に入っています。普段見られない、ビンズイ、ルリビタキ、アトリ、マヒワ、カシラダカなどが見られ、
渡りの途中と思われるヒガラの群れにも出会いました。
 小さな池のそばでじっとしていると、小鳥たちが間近で飛びかい様々な仕草に癒されます。

 
                              エゾリス
 
 
 ゴジュウカラ
 
  ヒガラ
 
 アトリ
 
 キクイタダキ
 
 カシラダカ
 



ミサゴがくる川  篠原盛雄 10月UP


 例年長流川では準絶滅危惧種に指定されている「ミサゴ」(水に飛び込んで魚を捕らえる猛禽類)が6月から7月にかけて毎日魚捕りのダイビングをするのですが、今年はその姿を観察できませんでした。いつもの個体に事故があったかと思っていたのですが、9月19日「ミサゴ」の幼鳥1羽がやってきて、盛んに魚捕りの練習をしていました。どこで生まれたのかは分かりませんが、渡りの途中でちょっと寄っただけと思っていましたら、9月22日にはなんともう一羽増えていました(これも幼鳥)。この鳥を複数で見ることはなかなかないことです。砂地の枝に止まっている1羽のミサゴの写真を撮っていましたら、偶然もう一羽が飛んできて、狭い枝先に並んで止まろうとする場面に出くわしました。ま
さに降りようとする場面をカメラに収めることができました。 
その1羽は次の日にはいなくなりましたので、そんな場
面に二度とめぐり合うことはありませんでした。同じ鳥であることを意識し一緒にそばにいようとするまだ幼さの残る場面でした。
人間だけが心を持っているのではなく生き物たちは考え、感じ生きているのだということを改めて知らされました。 残りの1羽はそれからも長流川で1カ月にわたり生活をしていきました。
「ミサゴ」が狩りをする場面を見ることができる川はこの近辺では長流川以外ではありません。 この「ミサゴ」の幼鳥はTカ月ですっかり狩りの腕をあげ確実に魚を捕獲し、引き上げることができるようになりました。 長流川の豊かな自然が「ミサゴ」を独り立ちさせました。絶滅が心配されている貴重な鳥を長流川は支えているということになります。 生態系の頂点に立つ生き物を守るということはそれを支える様々な生き物たちの鎖を維持していくということです。 人間もその鎖の中にあります。現在自然破壊によって、絶滅する生き物が増加しています。少なくても100年先を見通した、人間社会のあり方を真剣に考えていかなければ、人間社会の未来はないと思います。
 
   







8月有珠海岸シギ飛来 篠原盛雄 9/4UP

 
 トウネン
  今シーズンの有珠海水浴場が終了した8月19日から、キャンプ海水浴客に代わって、トウネンがやってきました。
 今年北極海沿岸で生まれて、12,000キロ彼方のオーストラリアまで渡っていく途中、おそらく初めて有珠海岸で人間に出会うトウネンの幼鳥は人を恐れることもなく波打ち際で餌採りに夢中です。
 8月28日には80羽にもなり今年のトウネンのピークとなりました。(9月4日現在約35羽)その他チュウシャクシギ、ムナグロ、ソリハシシギ、オバシギ、コオバシギ、ハマシギなどが8月中に立ち寄っていきました。
 西胆振でシギ・チドリの最大の飛来地が有珠海岸です。有珠の自然度の高さを示しています。
 シギ・チドリの飛来によって有珠海岸が伊達の大切な自然遺産であることが証明されています。

トウネン
 
 トウネン、ソリハシシギ

 トウネン
 
 コオバシギ、オバシギ
 
 ムナグロ


8月長流川河口 篠原盛雄 8/9UP

 ほとんどの鳥たちの巣立ちも終わり、それぞれ群れを作って河口の草原や林で餌採りをし、
渡りに備えて体づくりをしています。ムクドリ、ニュウナイスズメ、ノビタキ、ホオアカ、ヒバリ、ツ
バメなど飛び交っていますが、八月に入るともう秋の花が咲き始めます。
 蝶や虫たちも今が最盛期、次々に開く花に集まって、花粉や蜜をなめています。よく観察す
ると鳥だけでなくいろいろな生き物たちが短い夏を過ごしています。

 
 ノビタキ幼鳥
 
 ニュウナイスズメ
 
 キアゲハ
 
 コマダラカミキリ

 外来種のセイヨウオオマルハナバチは1,6cmほどのあまり大きくないハチで、ハウスでトマト
などの受粉のため使われています。これが逃げ出して今は大雪山の上まで広がっていて、
在来種を危機に陥れています。駆除の対象種ですので気をつけてみてください。
長流川周辺でも何匹か観察しています。

 
 セイヨウオオマルハナバチ 外来種
 
 コイ

 新長流橋から時々鯉の群れを見ることがあります。河床の泥をパクパクしているその周りに
ウグイの子どもとみられる小さな魚の群れが鯉にまとわりついていて、巻き上がった泥の中か
ら何か餌をとっているようです。
 長流川には数頭のキタキツネが生活していますが、その中で尻尾の細いのがいます。昼間
からのこのこ河口の干潟に出てきてうろうろしているかと思ったら、なんと水際でオオセグロカ
モメがつついていたボラの死骸を横取りして食べていました。
 河口の花も春から次々と変わっていきますが、その花に合わせるように現れる蝶も季節ごと
違ってきます。8~9月に現れるヒメアカタテハを8月8日初認しました。この蝶が現れると秋が始
まった証拠です。

 
 ヒメアカタテハ
 
 ベニシジミ
 
 ジャノメチョウ
 


長流川(壮瞥) 7/25 
篠原盛雄

 7月25日長流川(壮瞥付近)
ほとんどの鳥は巣立ちました。今日はカワセミの幼鳥4羽と出会いました。キセキレイ6羽、コチドリも親の付き添いで4羽の幼鳥に出会いました。
ハチクマはまだ子育て中なのか上空を旋回していました。(ハチクマを観察するのは6月28日に初めて見て2度目です)
いつも夏休みの時期に見られるコムラサキが川岸に降りてミネラルを補給していました。
帰る途中、ふと気がつくと正面にキタキツネが座っていました。
キツネの立ち去ったところまで来ると今度は川岸の柳からカワセミの幼鳥が降りてきました。
鹿の足跡もあり少し川岸を歩くだけで様々な生き物に出会います。
川の上を吹く風は夏のにおいがしました。
 
   
     

谷藤川  篠原盛雄 2012.7.27UP

 今年の4月16日
谷藤川林道をさかのぼっていくと雪が残っていて途中で引き返しましたが久しぶりにエゾライチョウのつがいに出会いました。
稀府岳、紋別岳の南半分は民有林で時々伐採されますが、10数年前には沢に必ずいたものですが大規模な伐採以降、エゾライチョウの姿は見かけなくなっていましたので久しぶりの確認でした。
 5月4日
大雨で谷藤川の林道も大きな被害を受けました。
峡谷の崖から上流は道路が大きく分断され、大規模な補修が必要になっています。
 6月11日
車を谷入り口において自然観察に行くとエゾライチョウに出会った同じ場所でキベリタテハに出会いました。
キベリタテハもなかなかお目にかかれない蝶です。

 7 月21日
森はすっかり夏模様、林道は薄暗く、野鳥の声もほとんど聞こえなくなっていますが、夏の花が咲き始めていました。奥の峡谷の橋で『ウラキンシジミ』に出会いました。
この蝶もなかなか出会うことが難しい蝶です。谷の入り口の木でミヤマクワガタがメスと交尾をしているところに出会いました。ばっちり写真を撮ってお邪魔しました。
東山は人の手が入っているとはいえまだまだ自然が残っていて地域の重要な生態系を形成しています。稀府岳に風車の25基の増設計画がうごめいています。自然を守ることの大切さを多くの市民に理解してもらう努力を続けなければならないと思います。

有珠山周辺6/13 篠原盛雄

 
 サルメンエビネ
 
 アカゲラ
 
 サイハイラン
 
 コウライテンナンショウ
 
 カツラ
 


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